佐々木望の東大Days

東大Days公開記念! 佐々木望 Specialインタビュー

2013年に東京大学を受験し合格、この春(2020年)法学部を卒業した声優・佐々木望。
魅惑的なボイスで数々のキャラクターを演じ、人気と実力をあわせ持つ声優としてそのキャリアを重ねてきた彼が、仕事をしながら東大に入学し卒業したという発表は、私たちを心底驚かせた。しかも文系トップとされる東大法学部である。
いったいなぜ? どうやって? 何のために? 聞きたいことは山ほど浮かんでくる。
「東大Days ―声優・佐々木望が東京大学で学んだ日々―」公開記念のこの独占インタビューでは、受験から入学、キャンパスライフ、勉強のことなど、東大生としての日々を佐々木さんに伺ってみる。

インタビュアー:漫画編集者 永田裕紀子

Vol.6 法学徒の模索 〜2015年秋、本郷〜

「学習困難者」の困難


晩秋には銀杏の葉の絨毯が敷きつめられる構内の並木道

3年生の夏学期が終わりましたが、本郷キャンパスは実際過ごしてみていかがでしたか?

佐々木(以下略) 駒場から本郷に行って思ったのは、やっぱり格調高いというか、キャンパスが荘厳で大人っぽいんですよね。
駒場の方は、若々しくて、人々も集いあってキラキラキャッキャしていました(笑)。
いやこれはあくまでイメージで、実際はもちろんキャッキャしてない人もたくさんいますけど(笑)。私もそんなにキャッキャしてなかったですし(笑)。

でも全対的に、若い緑、グリーンな感じです。
駒場は駒場でそういう活気のあるところが魅力なんですよね。
いつも大学生協の前で人々が踊ってたりしてますし(笑)。

踊って??
いやたぶんヒップホップ的なサークルの方たちだと思います。
その横を通るといつも、こちらも踊りたくなってました(笑)。
歌って踊れる声優さんですものね!

それはそうなんですけどね(笑)。

本郷は、キャッキャしてる人はほぼいないし、キラキラともちょっと違うし、人々は集っても踊ってもいません(笑)。
縁も多いですけど、駒場と違って深い緑のイメージですかね。

だから、本郷に来たときは、ああここは本当に真面目に学ぶ場所なんだと思って、ちょっと身が引き締まるような感じでした。

皆さんそうやって、学問への意欲が高まるんでしょうね。

とはいえ、真面目に学ぶ気はあったんですけど、やっぱりどうやって取りかかったらいいのかわからずに、勉強面ではボヤボヤしている間に夏学期は終わってしまいましたけど。

誰かのアドバイスを聞きたいと思って、一度、法学部の学習セミナーにも出席してみたことがあるんです。

学習セミナー? 勉強法なんかを教えてもらえるんですか?
そうですね。法学部には学習相談所という組織があって、勉強や進路の悩みなんかをカウンセラーの先生に相談できるんです。
学習セミナーは、そこが主催しているセミナーで、先生や卒業生や院生の方がゲストにいらしてお話をしてくださるんです。
そこに佐々木さんも出席されたと。どうでしたか?
ゲストにいらした法学部の先生が、「(悩みに対する)答えは君の中にある」と参加者に対しておっしゃったことをすごくよく覚えてるんですけど、そのときは「いや、自分でわからないから相談に来たんだけどな」と内心で思いました(笑)。
(笑)。
見たところ、セミナーには、法学部の勉強についてとても困っているような人が何人も参加している様子だったんです。私も含めて。
いや多分、その中で私が一番できが悪い学生だったと思いますけどね。
いやいや、そんなことはきっとないと思いますけど。
おそらく、私のように、駒場では困らなかったけど法学部に来たら突然勉強が順調にいかなくなった人が実際は一定数いるんだと思います。
その人たちが皆セミナーに参加したわけじゃないでしょうけど、そういう人を「学習困難者」と呼ぶとするなら、法学部の先生はあまりに優秀すぎて、学習困難者が現実的に抱えている困難をわかっていただくのが難しいような印象を受けました。
どういうことですか?

日々の勉強で本当に困ってるときって、抽象的な内省や俯瞰からの問いかけはかえって混乱するというか、今知りたいのは、講義をどんなふうに聞いて、予復習をどんなふうにして、どの教科書をどんなふうに読めばいいのか、そしてどうやったら最終的に答案を書けるようになるのかという具体的なことだったりしますよね。

それは自分で試行錯誤して編み出したりするものだ、と言われるかもしれないですけど、その通りなんですけど、自助努力でいろいろやってみてもうまくいかない、でも講義はどんどん先に進むし科目は多い、どうしよう、誰かのアドバイスがほしい、となる人だっていると思うんです。

でも、先生も先輩も、優秀な方が多いんです。それはそうですよね。
その方々の多くは、おそらく学生時代に学習困難者だったことはなかったんじゃないかと思います。

ああ、なるほど。

一方で、本当の ―本当のって変ですけど(笑)― 学習困難者の方は、大きな声で「私は学習困難者です。私は学部の勉強についていけていません」とは言えないですよね。

特にこの大学でこの学部では、良いか悪いかは別として、勉強ができないとかやり方がわからないとか、そういうことをおおっぴらに人に言いにくい雰囲気があるように思います。
同級生同士でも、成績や進路についてのピア・プレッシャーが相当ある環境では、学習困難者の存在はなかなか見えてきづらくなりますよね。

そうすると、優秀な先生方から見たら、東大生は皆、基本的に優秀で、正しく熱心に勉強できていると普通に思ってしまうのかもしれません。
講義でも、前列に座っている学生の方が先生からよく目に入るわけですから、そういう真面目で優秀な学生を標準だとお考えになることもあるのかもしれません。
まさか勉強方法の段階でつまずいている学生が一定数いるとは見えてこないのかもしれません。本来は真面目に勉強する気があるのに、つまずいている学生のことが。

そこがまたやっかいな構造だなと思うんです。


農学部キャンパスに建つハチ公と飼主・上野英三郎東大農学博士の銅像

難しい問題ですね……。

これは別の先生ですけど、ある講義の初回に、「皆さんは一を聞いて十を知る人たちなので、(この講義では)くどくど説明はしないようにしますね」とおっしゃったことがありました。
私は、「いやいやいや先生先生、くどくど説明してくださいよ。せめて私だけには」と懇願しそうになりました(笑)。

だって、これからその科目を学ぶわけですから、一を聞いて十を知る学生の方が少ないんじゃないかと思いますし、「えっ、そっちに合わせるの?」って(笑)。

ひどい(笑)。

ああ、いえ、その先生はおそらく、学生に敬意を持って応対してくださってるんですよね。
学生の能力を信頼してくださっていて、学生に無駄な時間を費させないようにと、とてもよく考えてくださっているすばらしい先生だと思います。

学生の立場からしても、先生の期待に応えたいですし、先生から尊重していただけばいただくほど、それに見合うようになりたいと思いますよね。心情的には。

だから、本当に難しい問題だなと思いました。学習困難者のひとりとして。

周りが優秀であればあるほど、その問題は見えづらくて、解決しづらくなるんでしょうか……。
東大生にもそんな問題があるんですね。
周りが優秀な環境ってすばらしいんですけどね。
ただ、その中で学習困難に陥った者がそれを克服するのは、人によってはかなり時間がかかることかもしれません。私みたいに。
そうなんですね……。
でも、学習セミナーでは先生からも先輩方からもいろいろな体験談を伺えて面白かったですよ。
先輩方の経験が聞ける場は貴重でありがたいです。

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時間割の密度を下げる


元東大総長・内田祥三の設計による法文1、2号館の見事な尖頭アーチ

さて、ではそれを打破するために、どんな計画を?

はい。夏休みの間に、来期からの履修計画を練りました。

……ん? 「夏休み」って変ですよね(笑)。
仕事には夏休みはないですけど、学生の間はなんか学事暦的な感覚になってしまいます(笑)。

(笑)。夏休みってどのくらいあるんですか?

学期末試験が8月頭までに終わって、冬学期が9月下旬から始まるので、2か月弱くらいです。

で、どのみち本郷には長くいたいなと思ってたので、時間割の密度を下げることにしたんです。

時間割の密度?
ええ。1学期あたりの履修科目数を減らして、その分ひとつひとつの科目に集中的に時間をかけようと思って。
夏学期には、少なくとも「英米法」と「会計学」についてはそれで成功したので。
なるほど!
もともと、2年生が終わって駒場を離れるときに、本郷では在学期間を延長して4年間いようと決めてたんです。
あ、本郷に4年間いられるんですね!
ええ。東大の在学年限は、駒場4年、本郷4年なんです。
だから、もともと4年いようと決めてから本郷に来たんですけど、法学部の勉強につまずいたので、ああやっぱり長く在学するプランにしてよかったなと思いました。
ええ、ええ。焦ることはないですからね。
4年間 ―この時点では残り3年半― あるんだから、ひとつひとつの科目をじっくり勉強して、確実に身につけていこうって。
時間はかかるけど、時間はかけられるんだし、時間はかけていいんだし、むしろ時間かけたいんだからって。
そうですよね! 佐々木さんの場合、学ぶために大学に来られているので、普通の学生さんのように就職のために急いで卒業しなきゃ、というのではないですものね。
そうなんです。むしろ逆で、とにかくいられるだけ長く大学生でいたかったんですよね(笑)。
結局は、仕事との兼ね合いで、休学を含めて本郷に5年いることになりました。
(ここでスタッフが発言)計画的に在学期間を延ばしたということですが、どうして駒場では延長しなかったんですか?
実はそうすることもちょっとだけ考えたりはしました。
でも、同クラや他クラ(他のクラスの人)の友だちと一緒に進級したかったんですよね。
駒場で延長してしまうと彼らと離れてしまうので、それは寂しいなと(笑)。
たしかに! お友だちとキャンパスが分かれてしまうと寂しいです。
といっても、文一文二クラスなので、同クラみんなが法学部に行くわけではないんですけどね。
法学部に行ったらクラスもないので人付き合いは駒場よりはるかに薄くなりましたし。
でも、駒場時代から親しかった友だちとは、本郷でもよく会って話したりしてました。

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東大生のノートは美しい?
具体的な勉強方法としてはどうされたんですか?

私の場合、まず講義の聴き方がわからなかったんです。
ただ座って聴いてたんですけど、雑談ならともかく、105分の専門科目の講義をただ座って聴いていてもほとんど頭に残らなくて。
知らないことばかりを聴くんだからあたりまえですけどね。

しかも東大法学部って、進度が超速いんです。
たとえば、民法の債権総論という科目だと、教科書だけでも数百ページある分量を3か月ちょっとの講義で終えてしまうんです。

3か月?! それですぐ試験とか?

それですぐ試験です(笑)。
分量がえぐいので、直前に詰め込んでなんとかなるものでもないですしね。

仮に、直前に詰め込んで試験はなんとかなったとしても、そのやり方だと試験が終わったら忘れてしまうでしょう。
それじゃ何のために大学に来たのかってことになるので、自分はやっぱり単位を取るためだけの勉強はしたくなかったんですよね。
なんとか理解したかったんです。

すばらしいです! そうあるべきですよね!
で、これはまずノートを取らないといけないんじゃないかと思いました。
でも、昔から、自分でノートを取るという習慣がなかったんです。
は? ノートを取らない?
ノートを取らずに東大に入られたり、ここまで来られたんですか?

そうなんです……。
文房具オタク気味なので、文房具としてのノートは好きで、いろいろ持ってたりもするんですけど、勉強に使ったためしがないという(笑)。

英語の文章を書いたり数学の計算をしたりとか、紙に書くことが必要なときは使用済みの台本の裏にごちゃごちゃって書いたりしてました。
台本の取り扱い方としては不適切かもしれませんね。すみません(笑)。
もちろん、台本の裏に書いたものをどこかに提出したりはしないですよ!(笑)
というか、ノートを使えよって(笑)。
※裏面が白紙の、綴じていないタイプの台本です。


在学中も朗読劇やイベントに意欲的に出演

その台本を見たいです(笑)。

自分の勉強のときは紙に書くことがあっても、講義のノートはなにをどう書き取っていいのかわかりませんでした。
そもそも、書くことと書かないことの区別ができないというか。

要点を書けってことかなと思って聴いていても、どこが要点なのかとっさにわからないし、「えっと今のお話は要点なんだろうか、書くべきだろうか」と躊躇していると、お話がどんどん先に進んでしまって、躊躇していた分のところを聴き逃してしまいます。

わかります、わかります。

かといって、じゃあ悩んでる間があったらとにかくノートに書いてしまおう、重要度は後で見直せばわかるんだから、と思って講義に臨むと、今度は先生のおっしゃることを一言一句、なんでもかんでも書こうとしてしまうんです。
それって、もはや速記ですよね(笑)。
思考停止した状態で速記マンと化してしまうんです(笑)。

当然、すぐに書くのが追いつかなくなって、ノートはものすごい殴り書きの羅列になって、要点もわからないし、途中で書くのをあきらめて文が途切れてるし、そもそも速書きすぎて自分の字がぐちゃぐちゃで読めない(笑)。

「東大生のノートは美しい」ってありましたけど(笑)。

中には美しい人もいらっしゃるんでしょうけど、そもそも全員がノートをとってるわけじゃないんですよね。

私は結局、今になってもノートは取らないというか、取れないままです。
まったくなんにも書かないわけではないですけど、頭の中で情報を処理するのに限界があるときに、手近にある紙に書く感じなので、それが全体のまとめとかにはならないんです。
その手近にある紙が使用済みの台本だったりしがちなんですけど(笑)。

じゃあ、いわゆる「ノートにまとめる」とか、「ノートを作る」とか、そういう勉強の仕方ではないんですね?
授業中だけでなく、ご自宅で勉強されるときも?
そうですね。ノート作りはしないです。
用途として落書き帳とか計算紙みたいな感じなので、冊子状である必要もないんです。
じゃあ、教科書とか本に書き込んだりはされるんですか?

いえ、書き込みはしないです。潔癖なので本はきれいにしときたいんです。
というのは半分冗談ですけど、英語の勉強をしていた頃のなごりがありまして……。

教科書でも小説でも、英語の文章だけが印刷してあるページの行間とか余白の部分に、たとえば単語の意味とか文法の構造なんかを日本語で書き入れたりはしないようにしていました。

どうしてですか?

というのは、何か書き込んでしまうと、もうそのページは、もとの英語の文章だけが書かれているページじゃなくなってしまいますよね。

原文は行間を含めて原文だと思っていて、その原文を原文のままでいつも目に入れたいんです。
特に、訳語みたいな書き込みをしてしまうと、そこは日本語が書かれたページになるので、英語が英語としてぱっと目に入ってこなくなるんです。

じゃあ、英英辞典を使って単語の意味も英語で書き込めば日本語が目に入らないのでは、といっても、行間に書き込みをすればするほど、視覚的には原文は失われていきますよね。
行間を含めたそのページ全体を原文だと考えると。

それに、その単語の意味をいずれ覚えてしまっても依然として書き込みが残ってると、それは視覚的なノイズになってしまいますし、だからといって、覚えた単語をいちいち消していくというのも……。

書いたり消したりってなりますよね。消すタイミングも難しいですし。

ただただ個人的な好みの問題なんですけど、やっぱり、行間含めて英語の文章は英語の文章として、ページ全体をもとのまっさらなままに留めておきたいんです。

そういう癖があるので、英語じゃなくて日本語で書かれている教科書にも、書き込みをすることに基本的には抵抗があったりします。
もちろん、これは自分のやり方にすぎないので、書き込みするかしないかは人それぞれだと思いますけどね!

私の尊敬する、すごく勉強家な方は、いつも鉛筆をもって読書されていて、どの本にも辞書にもびっしり書き込みをされていて、その真理や知への熱心な希求には憧れを禁じえないです。

うーん、なるほど! いや、すごく本質的な勉強法を伺った気がします。
でも、ノートを取らずに、書き込みもせずに、どうやってこんな高度な勉強をされているのか、やっぱりとても不思議というか、興味深いです。
それも、ぜひいつか詳しくお聞かせください!
いつでもいいですよ(笑)。
まあ、自分もこれからまだいろいろ勉強のやり方を模索していくと思うので、変わっていくかもしれないですけどね。

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「7回読み」と演説と


夏には安田講堂前の大クスノキの木蔭で涼んだりも

教科書の読み方について、院生の方からアドバイスいただいたことがありました。
「7回読み」っていうのがブームになったりしてた頃ですけど、その方も、さーっと7回読むと概要が頭に入るよとおっしゃっていたのでやってみました。
たしかに、話題になってましたね。やってみてどうでした?

私には無理でした(笑)。
教科書7回は読んだんですよ。でも概要は半分もわかりませんでした。

何度目であろうと、さーっと読んでると、自分がただ活字を目で追っていて、ただページをめくっていることに気がつくんです。目が滑る、というか。
かといって、さーっと読まないでじっくり読むと、難しくてちっとも進まないんです。

この、読んでるテイだけど目が滑ってる状態にけっこうよく陥るんです。
1冊読み終わって、じゃあ今の本の要点を挙げてみて、みたいになったら何も答えられないみたいな。

わかります。よくあります!

そういえば、だいぶ昔なんですけど、よくロールプレイングのゲームをやっていた頃に、クリアしたゲームでもストーリーとか分岐とかアイテムの場所なんかをきれいに忘れてしまうので、何度やっても初回みたいに新鮮に楽しめるということがあって、人からは不思議がられてました。
ゲームでは完全に忘れてしまうのは利点ともいえますけど(笑)、でも勉強では困りますよね(笑)。

まあ、さすがに7回読んで全部忘れることはないですけど、ムラがすごくあるというか。
頭に入る箇所は毎回しっかり入るんですけど、わからない箇所は何度読んでもわからないままで頭にも残らないんです。
だから、やっぱり私の方が、7回読みで効果があげられるレベルに達してなかったんでしょうね。

いえいえ。法学なので、そもそも、とんでもなく難しい本を読もうとされているわけですからね。
一定程度のスピードを保ちながら、かつ理解しながら読んでいくというのは本当に難しいですね。
読み方については、今もなお、それが自分の課題だったりします。
「7回読み」以外の読み方で、何か試したりされましたか?
他には、基本書を声に出して読む方法を試したりもしました。
※法律科目などの概説書や体系書のことです。
声に出して読む! 声優さんにぴったりの勉強法じゃないですか!

いやあ、そうなんですかね。
声に出して読むと頭に入りやすいよって聞いたこともあったのでやってみたんですけど。
逆に、職業的な観点から自分の読み上げる声を聞いてしまって、内容に集中できませんでしたよ(笑)。

「あ、今の読みは意味がいまいち伝わらない」とか「語尾が決まらなかった」とか、「ここは後で録り直し」とか読みながらいちいち思ってしまうんです(笑)。
いや録音してないから(笑)。

さすが、どんなときも声優さんですね!
ついには立ち上がったりして。
英米法の試験勉強のときは、教科書を手に持って部屋の中をうろうろしながら演説してました(笑)。
演説ですか!
ええ。まず、教科書を数段落分くらい見て、書いてある内容を頭に入れて、それから教科書を見ないで自分の言葉で言い直すんです。
力強く自信たっぷりに(笑)。
で、言い終わったらまた次の数段落を見て、また熱く語るという(笑)。
演説ですね(笑)。

なんのキャラなんだろうって感じですよね(笑)。
そこはいろいろ変えて演じたりして(笑)。
やってる自分が面白がってただけですね、これ(笑)。

片手に台本を持って立って喋るっていうのが仕事の基本的な姿勢なので、片手に持つのが基本書でも、ぜんぜん立って喋るのに違和感はなかったです(笑)。
でも、基本書は台本よりもはるかに重いので、だんだん手首が痛くなってきますけどね(笑)。

演説は、効果がまったくなかったとはいえなくても、効果的だったとまではいえないかもしれません。
ただね、楽しかったんです(笑)。

これは、誰も聴いてないなんてもったいないですね!
ぜひ佐々木さんの声で教科書のオーディオブック化をしてください!
佐々木さんなら法律の用語もバッチリですよね! 絶対いいと思います!
なるほど! 需要があればやってみたいですね!
そうやって、いろいろな勉強のやり方を試されていて、しかも楽しみながらそれをやられていて、本当に理想的な学び方だと思います。

ありがとうございます。
法学の勉強のやり方は、そこからずっと試行錯誤の日々ではありました。

自分の場合は、あるとき突然にできるようになったっていうのではなくて、学期を追うごとに、徐々に徐々につかめてきたという感じです。

ゆっくり、じっくり、確実に、ですね!
では引き続き、その試行錯誤の日々のお話も伺わせてください!

次回は、「選択と集中」、冬学期の学び!

「佐々木望の東大Days」は
noteでもお読みいただけます!

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